更新日:2025.05.13

玄関ドア・窓サッシ交換で利用できる補助金制度

2025年度も昨年度に引き続き断熱改修工事などの省エネに効果のあるリニューアル工事でマンションの共用部分に利用可能な国の補助制度の受付が開始されました。マンション管理組合様や投資用マンションのオーナー様はこの制度を利用して玄関ドアや窓サッシの交換の工事代金の一部を補助金として受領することが可能になります。

子育てグリーン住宅支援事業とは

こちらの補助支援事業はマンション管理組合様が行う共用部分の修繕工事で利用することが出来ます。事業名称に子育てと冠されているのは、注文住宅の新築工事で本制度を利用する場合は生年が1984年以降の夫婦に限られていることに理由があります。リフォーム工事の場合は補助対象者にそういった制約はなく、住宅所有者であれば個人でも団体でも利用可能なものになっております。申請の手続きについては身分証明書等の発注者様が用意するものは一部ございますが、それ以外の手続きは施工業者の方で行いますので、発注者様が煩わしい手続きをする必要はありません。

先進的窓リノベ2025事業とは

先進的窓リノベ2025事業とは、開口部の改修に特化した補助金制度となります。窓だけではなく玄関ドアも補助対象工事となっており、子育てグリーン住宅支援事業より高性能な建材を使用することを前提としたものとなっております。ただし鉄筋コンクリート造のマンションの場合は窓サッシを例に挙げるとより断熱性の高いアルミと樹脂の複合サッシを使用する必要がありますが、防火基準や工事方法等の理由でこういった建材が使用できない場合もありますので、使用可能な製品のグレードを事前に確認しておきますと、工事コストは上がりますがより手厚い補助を受けられる可能性があります。

申請スケジュール

2024年11月22日以降に着手した工事で2025年12月31日までに完了した工事が対象となります。また交付申請は工事が完了した時点でないと申請することが出来ませんので2025年の年度末までに工事を完了させる必要があります。注意点としては事業予算が上限に達してしまった時点で受付終了となりますので、2025年12月31日より前に受付終了となる場合もございますので、可能な限り早期に申込をすることを推奨します。工事が完了する前に交付申請の予約をしておくと予約した補助額分の予算を確保しておいて貰えますので必須ではありませんが事前予約しておいた方がいいと思います。事前予約をしてから3ヵ月間は予約が有効となりおりますので期間を過ぎないよう注意が必要です。交付申請後は事務局で書類審査が行われた後に補助金の銀行振り込みがなされますが、時期にもよると思いますが申請から振込完了まで1~3ヵ月程度を要します。

補助対象者

補助金を申請するには発注する施工業者が本助成制度の登録事業者となっている必要がございますので発注予定業者には交付申請業務を依頼できるかどうか事前に確認しておく必要がございます。その条件を満たした上で下記に該当するリフォーム工事の発注者が対象となります。

・住宅を所有し、居住する個人またはその家族

・住宅を所有し、賃貸に供する個人または法人

・賃借人

・共同住宅等の管理組合・管理組合法人

・住宅の買取再販事業者(他業者に工事を発注する場合) ※先進的窓リノベ2025事業では対象外です。

                                              

子育てグリーン住宅支援事業の補助対象工事

補助対象となる工事は必須工事と任意工事の2つにカテゴライズされており、必須工事については、これら3つの中から1つ行えば補助対象となりますが、任意工事については必須工事と併せて行うことと、必須工事のカテゴリの中から2つ以上を行わなければ補助対象工事とはなりません。また1住戸あたり最大で60万円が補助額の上限とされておりますが、この場合は必須工事の3つをすべて行わなければ補上限額まで補助を受けることが出来なかったりと様々な決まり事がございます。

●必須工事

a.開口部の断熱改修……ガラス交換、内窓設置、外窓交換、ドア交換

b.躯体の断熱改修……外壁の断熱改修、屋根・天井の断熱改修、床の断熱改修

c.エコ住宅設備の設置……太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率給湯器、節湯水栓   蓄電池

●任意工事

d.子育て対応改修……家事負担を軽減する設備の設置(食洗器、レンジフード、自動調理コンロ、浴室乾燥機、宅配ボックス)、防犯性向上や生活騒音軽減に効果のある開口部改修、対面キッチンへ変更

e.防災性向上に資するガラス交換及び外窓交換

f.バリアフリー改修……手摺設置、段差解消、通路幅の拡張、衝撃緩和畳の設置

g.空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置

h.リフォーム瑕疵保険等への加入

必須工事のa.b.cのうちマンション管理組合様や投資用マンションのオーナー様の行う工事で、補助金制度の利用率の高い工事はa.の開口部の断熱改修になります。b.の躯体の断熱改修は専有部の壁内に断熱材を施工することになりますので、居住者様がおられる共同住宅で内装を解体して断熱材を施工するという負担の大きい作業を行うのは現実的ではないかもしれません。

先進的窓リノベ2025事業の補助対象工事

使用する建材の断熱性能によって上から「P」、「S」、「A」の3つに区分され、一番性能の低い「A」に満たない性能の建材を使用する場合は補助対象工事とはなりませんので注意が必要です。

・ガラス交換

・内窓設置

・外窓交換

・ドア交換

補助対象額 子育てグリーン住宅支援事業

補助対象額は施工数量や玄関ドアであれば開口部分の大きさにより変動します。また同じ工事内容でも必須工事として申請した場合と任意工事として申請した場合とでも補助額が変わることがあります。下記の表は子育てグリーン住宅支援事業で開口部の断熱改修を単独で申請した場合の補助金の一覧表となります。マンションの玄関扉の開口面積は1.8㎡未満がほとんどですので、ドア交換小の43,000円/箇所が適用されることになります。

改修方法面積補助額
ガラス交換大1.4㎡以上14,000円/枚
ガラス交換中0.8㎡以上1.4㎡未満10,000円/枚
ガラス交換小0.1㎡以上0.8㎡未満4,000円/枚
内窓設置大2.8㎡以上17,000円/箇所
内窓設置中1.6㎡以上2.8㎡未満13,500円/箇所
内窓設置小0.2㎡以上1.6㎡未満11,000円/箇所
外窓交換大2.8㎡以上34,000円/箇所
外窓交換中1.6㎡以上2.8㎡未満27,000円/箇所
外窓交換小0.2㎡以上1.6㎡未満22,000円/箇所
ドア交換 大開戸:1.8㎡以上
引戸:3.0㎡以上
49,000円/箇所
ドア交換 小開戸:1.0㎡以上1.8㎡未満
引戸:1.0㎡以上3.0㎡未満
43,000円/箇所

昨今のエネルギー不安から省エネを目的とした補助制度は継続する傾向が続いております。玄関ドアや窓サッシは35年~40年程度が交換の目安とされておりますので、この機会にうまく補助金制度を利用して修繕を検討されては如何でしょうか。

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