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COLUMN大規模修繕で起こるトラブルとは
管理組合様にとって大きな出費となるマンション大規模修繕工事は、工事も大掛かりなものとなり、多くの住人様の同意を得て進めて行かなくてはならず、その時に理事会メンバーとなられた組合員様には重責がかかると思います。数年がかりで綿密に打ち合わせをし、着工へとこぎつけた大規模修繕工事でも一度開始してしまえば、数カ月で完了してしまいます。そこで何か想定していたことと違うことが起こっても、なかなか修正が難しいものです。
「大規模修繕で失敗したくない」と多くの方が感じておられると思います。
大規模修繕に関連して起こってしまうトラブルの一例をご紹介いたします。
大規模修繕における追加費用のトラブル
数社から見積もりを取得して一番安い業者に発注したのに、工事着工後に多額の追加費用を請求されてしまった!
大規模修繕でよく耳にするお金に関するトラブルです。
どうしてこのような事態になってしまうのか、また、どう対処すべきなのでしょうか。
見積内容を揃える
原因として考えられることの一つが、見積内容が同じではなかったということです。大規模修繕工事の見積書となれば数十ページになり、一項目ずつ確認していくことは非常に困難です。一口に大規模修繕工事の見積もりをお願いしますと施工業者に依頼しても工事内容が同じとはなりません。ある業者は「ここはきれいだからいいだろう」と判断し見積に入れていなかったりしていることが往々にしてあります。各社が同一の条件の見積もりを作るための指針となる資料を用意することで、この問題は解決できます。
追加工事に備えた予算設計を
もう一つの原因としては見積時の想定より建物の劣化が進行しており、その差異が多額の追加費用となってしまった場合です。大規模修繕工事の見積もりには実数清算項目という作業項目があり、いわば「着工してみないと正確な作業量が分からないので、着工後に作業量が増えてしまった場合には追加費用が発生します」というものです。代表的なものが外壁タイルの貼り替え枚数で、見積もりには不良タイル1枚あたり〇〇円で3,000枚と計上されていたものが、着工してみたら5,000枚になってしまったという例です。何故こんなことが起こってしまうのかと申しますと、タイル一枚一枚の劣化判定は、足場を設置して至近距離から調査しないと正確には分かりませんので見積時にはタイル全体枚数の2%相当枚数を貼り替えますということにしておくのです。事前の建物診断で異常があれば、見積時の作業量を増やしておくことも検討する必要があります。
いずれの場合においても、本体工事とは別に追加工事が発生した場合の費用も予算化しておくことで対応がしやすくなるかと思います。