お役立ち情報
COLUMN市川市 分譲マンション共用部分等 あんしん住宅助成制度
市川市に所在する分譲マンション管理組合様が利用できる助成金として、「市川市 分譲マンション共用部分等 あんしん住宅助成制度」がございます。こちらは、管理組合様が行う共用マンション部分の修繕工事において、要件を満たす工事内容を実施する場合に市川市から一定額の補助金が下りる制度です。市川市あんしん住宅助成制度は市内の住宅の利便性の向上が趣旨とされておりますので、それに準拠した改修工事が対象となります。また、市内の経済活性化を意図として、市内に本社のある工事業者に発注することが条件の一つとなっております。マンション共用部分の修繕工事でも国や自治体の様々な助成制度を利用できる場合がございますので、今回はその一つとしてご紹介いたします。
助成が適用される工事内容
助成対象となる工事内容は、大別してバリアフリー対策と浸水対策の2つに分けられます。
バリアフリー対策
開戸を引戸に変更する工事
車いすを利用している方にとって開き戸を開けて通行することは困難です。それが引き戸に変更されれば利便性が向上します。エントランス扉が大きな両開き扉になっているマンションが多く見られますので、こういった部分を改修することで助成金の対象となります。また、より利便性を向上させる目的で自動ドアへの変更工事にも高いニーズがございます。

段差を解消する工事(スロープ)
マンションのエントランスは道路からの浸水を防止する意味でも、数段程度高く設計されていることがございます。しかし、この段差はユニバーサルデザインの観点から見れば不便に感じる方も一定数いらっしゃると思います。こういった場合、スロープ工事を実施すれば助成金の対象となりますが、スロープになだらかな勾配を設けるにはそれなりの距離が必要です。敷地面積に余裕がないケースでは、スロープの設置が難しいこともあります。

手すりを設置する工事
建築基準法では階段には手すりの設置が義務付けられておりますが、マンション共用部分の階段で設置されていない物件も少なくありません。また、エントランスにある階段やスロープに手すりが設置されていない場合は手すりの設置を検討するのもよいと思います。

その他のバリアフリー対策としては、通路幅の拡張などが挙げられます。
浸水対策
止水板の設置
市川市は集中豪雨等による浸水被害がある地域です。これは、道路の排水能力が集中豪雨に追いつかないという問題でもありますが、令和9年に市川南に大規模な排水処理施設の建築計画がございますので、将来的には改善していくのではと思います。マンションにおける浸水被害として想定されますのは、エントランスへの浸水です。道路とエントランスに高低差が無い場合には浸水するリスクが高まります。しかし、マンションの構造を変えて対策することは不可能ですので、浸水対策として製品化されているのが止水板(防水板)です。これは大きな金属板のようなものですが、通常時には格納しておき、有事の際には浸水してしまう開口部分に設置できるという製品です。

上記のほか、浸水被害を防止するための対策として、盛り土工事などもあります。
申請に必要な手続きとは
助成金の申請は、工事契約前と工事実施後の2回にわたって手続きする必要がございます。
提出書類
工事契約前の主な提出書類は、工事内容の詳細が分かる見積書や現場写真、図面・製品カタログ、工事業者の建設業許可のコピー、マンション管理規約・マンション総会の議事録のコピー等です。工事実施後には、工事後の完成写真や契約書類、工事代金を支払った証明として領収書などが必要になります。
申請における注意点
あらかじめ助成制度を利用する旨を工事業者に伝えた上で必要書類の準備を依頼することになります。工事契約前に管理組合様が用意する重要な書類として、先に挙げたマンション管理規約、および助成対象工事がマンション総会で承認された際の議事録のコピーが必要です。あんしん住宅助成制度は毎年4月中旬から下旬あたりに受付が開始されますが、予算がなくなり次第でその年の受付が終了となります。ですので受付が開始されましたら、出来る限り早く申請することをお勧めいたします。
また、重要事項として、新築時に行政より発行される検査済証の交付を受けていることが必須の条件となります。こちらは検査済証が仮に見つからなくても行政の方で発行済みか確認することができますが、交付を受けていなかった場合には本制度を利用することはできません。
補助額
住戸数に10万円を掛けた金額か工事金額の3分の1のいずれか少ない金額となり、上限は100万円までとなります。ですので、300万円以上の工事金額であれば最大限に助成金がが適用されることになります。また、この制度は1つの管理組合様につき1回限りしか利用することができません。少額工事のみで助成制度を利用してしまうと、後に対象工事が検討に上がった際に利用できなくなってしまいますので、申請の前には一度補助対象となるすべての工事について検討されることをお勧めいたします。