更新日:2025.04.24

あんしん住宅助成制度

市川市に所在する分譲マンション管理組合様が利用できる助成金で「あんしん住宅助成制度」という補助金制度がございます。こちらは管理組合様が行う共用マンション部分の修繕工事である条件の工事内容を実施した場合に市川市から一定額の補助金が下ります。市川市あんしん住宅助成制度は市内の住宅の利便性の向上が趣旨とされておりますので、それに準拠した改修工事が対象となります。また市内の経済を活性化させることの意図として市内に事業所のある工事業者に発注することが条件の一つとなっております。マンション共用部分の修繕工事でも国や自治体の様々な助成制度を利用できる場合がございますので今回はその一つをご紹介いたします。

助成が適用される工事内容

開戸を引戸に変更する工事

車いすを利用している方にとって開き戸を開けて通行することは困難です。それが引き戸に変更されれば利便性が向上します。多くのマンションでエントランス扉が大きな両開き扉になっていることが見られますので、こういった部分を改修することが助成金の対象となります。またより利便性を向上させる目的で自動ドアに変更することに高いニーズがございます。

段差を解消する工事(スロープ)

マンションのエントランスは道路からの浸水を防止する意味でも、数段程度高く設計されていることがございます。しかしこの段差はユニバーサルデザインの観点から見れば不便に感じる方も一定数いらっしゃると思います。こういった場合にスロープ工事を実施した場合に助成金の対象となります。しかしスロープになだらかな勾配を設けるためにはスロープにそれなりの距離が必要となり、それには敷地に余裕がなくてはなりません。

手摺を設置する工事

建築基準法では階段には手摺の設置が義務付けられておりますが、マンション共用部分の階段で設置されていない物件も少なくありません。またエントランスにある階段やスロープに手摺が設置されていない場合は手すりの設置を検討するのもいいのではないかと思います。

止水板の設置

市川市は集中豪雨等による浸水被害がある地域です。これは道路の排水能力が集中豪雨に追いつかないという問題でもございます。また令和9年に市川南に大規模な排水処理施設の建築計画がございますので将来的には改善していくのではと思います。マンションにおける浸水被害として想定されますのは、エントランスへの浸水です。道路とエントランスに高低差が無い場合には浸水するリスクが高まります。しかしマンションの構造を変えて対策することは不可能ですので、浸水対策として製品化されているのが止水板(防水板)です。これは大きな金属板のようなものですが、通常時には格納しておき、有事の際には浸水してしまう開口部分に設置できるという製品です。

工事内容は大別してバリアフリー対策と浸水対策の2つに分けられます。ここで挙げた以外には通路幅の拡張や浸水被害を防止するための盛り土工事などがございます。

申請に必要な手続きとは

助成金の申請は工事契約前と工事実施後の2回にわたって手続きする必要がございます。工事契約前には工事内容の詳細が分かる見積書や現場写真、図面や製品カタログとその他には工事業者の建設業許可のコピー等が主な提出書類と必要になります。工事実施後には工事後の完成写真や契約書類と工事代金を支払った証明としての領収書などが必要になります。予め助成制度を利用する旨を工事業者に伝えた上で必要書類の準備を依頼することになります。また工事契約前に用意する重要な書類で助成対象工事がマンション総会で承認された際の議事録のコピーが必要になります。あんしん住宅助成制度は毎年4月中旬から下旬あたりに受付が開始されますが、予算がなくなり次第でその年の受付が終了となります。ですので受付が開始されましたら、出来る限り早く申請することをお勧めいたします。管理組合様が用意する書類としては先に上げた総会議事録等の書類やマンションに管理規約となります。また重要な要件として新築時に行政より発行される検査済証の交付を受けていることが必須条件です。こちらは検査済証が仮に見つからなくても行政の方で発行済みか確認することができますが、交付を受けていなかった場合には本制度を利用することは出来ません。

補助額

住戸数に10万円を掛けた金額か工事金額の3分の1のいずれか少ない金額となり、上限は100万円までとなります。ですので300万円以上の工事金額であれば最大限に助成金がが適用されることになります。この制度は1つの管理組合様につき1回限りしか利用することが出来ませんので、少額工事ののみで助成制度を利用してしまうと後に同様の工事が検討に上がった際には利用できなくなってしまいますので、補助対象となるすべての工事を申請の前に検討されることをお勧めいたします。

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